先物先物ってみんな言ってるけどよーわからん
日経先物とか原油先物とかダウ先物とかビットコイン先物とか、先物というキーワードがTwitterのタイムラインで頻繁に見かけることもあるかと思います。
少なくともこのブログを見に来てる人はそういう方も多いかと思います。
では先物取引って言いますが実際それは何なのでしょうか?
一言で言えば「義務」の売買ですね。
この説明だと早速ワケわからんですね!
その意味を日常に置き換えて想像してみましょうか。
先物を身近なもので想像してみる
たとえば普段スーパーマーケットでリンゴが1個198円で売られているとします。
レジでお金を払えば現金198円が無くなる代わりにリンゴ1個手に入れることができます。
これは店と客の相対取引で、現物取引と言えます。
話を続けます。これを書いてる現在は2020年5月です。
想像上のお話です。想像してみてくださいね。
ある日突然、スーパーマーケットが「2020年9月30日にリンゴ1個を必ず引き換えする約束(義務)」を178円で売り出しました。
安いと思ったあなたは178円で1枚購入しました。(買建)
先物の単位は便宜的に枚と表現します。
今すぐ手に入れることはできませんが、期日が来れば必ず178円でリンゴを買わなければいけません。(義務)
それから日がたち、リンゴは毎日198円のままスーパーで現物が売られ続けていました。
約束の9月30日になり、あなたは義務を果たす日が来ました。
義務を果たし、リンゴを178円で手に入れることが出来ました。普通に現物を買うより20円得したわけです。良かったですね!
店も義務ですから178円で売る義務を背負っていましたので178円で売ることになりました。
これにて契約が解消されたわけです。
これを9月限(クガツギリ)リンゴ先物取引といいます。
ではなぜ店は178円で売ったのでしょうか?
5月に話を戻します。
店は9月になるとリンゴが今よりかなり値下がり(半額ぐらい)すると見込んでいたため、今なら178円で売れると現物のリンゴが値下がりしても大きな利益を確保できるのではと思ったわけです。今の現物価格から見れば安売りだし、買ってくれる人もいるだろうと。
客は178円で買ってくれました(買建)
店は178円で売ることが出来ました(売建)
というわけです。買った人がいると、そこには売った人が必ず存在します。そして9月になった時点で双方が義務を果たす契約になっているのです。義務ですので必ず果たさなければいけません。
その「あらかじめ決められた量」「決済日」「価格」を取り決めし、その義務を売買するのが先物取引といいます。
英語でFuturesと呼ばれます。
では仮に9月を待たずしてリンゴが値下がりをし始めたらどうなるのでしょうか?
8月になり158円で現物のリンゴが売られるようになりました。
店は目論見通りの値動きですね。
客は焦り始めます。もしかしたらもっと値下がりするかもしれないと。
この9月限先物の買いは失敗だったと。
あと60円ぐらいは下がりそう(98円)だと思ったのでスケベ根性出して今から128円で契約途中解消(178円で買った時の差額の50円はもちろん払う)してくれないかと頼みました(128円の売り板を出した)。
ですが店はもっと値下がりすると思ったので98円でしか受け付けてくれませんでした(買い指値は98円のみ)
他の店にも話を持ち掛けてみましたが、その契約はスーパーマーケット独自の契約なので、ほかの店では話を一切受け付けてくれませんでした。当たり前ですね。
そして双方納得行かずそのまま9月を迎えることとなり、客は178円でリンゴを買義務を履行しました。
その時現物は98円で売られていました。
普通に買うより損しましたね。。
スーパーマーケットは目論見通りリンゴを178円で売ることができたわけです。
先物取引とは、将来の価格を売り手買い手が合意すれば、現時点から決めておけるということです。そしてその義務を売買するのです。
相対取引の怖いところはスーパーマーケットの提示価格の言いなりということです。
客と一対一の取引なのでスーパーマーケットが売り価格と買い価格を出してくれないと、客は思った値段で売り買い出来ないことになります。
客にとってのスーパーマーケットはマーケットメーカーといえるでしょう。
リンゴ先物取引所に行ってみることにしよう
もしリンゴ総先物取引所のようなものがあればどうでしょう?
そこにはいろんなスーパーマーケットが看板しょってスーパーマーケット同士が先物を売ったり買ったりしているのです。もちろん多数の参加者がいるため買い板も売り板も豊富です。流動性が豊富ですね。マーケットメーカーがたくさんいますねw
取引する際コストも安いです。
あなたもそこでリンゴ先物を取引したいと思うでしょう。
なんせ手数料も安く流動性も豊富ですから。
しかしあなたは素人なので直接は参加できません、馴染みのスーパーマーケットに頼み込んで代行注文してもらうことにしました。
あなたはスーパーマーケットからリンゴ先物取引所のリアルタイムデータをもらいながら取引所に注文することが出来るようになりました。その代わり代行手数料としてあなたはスーパーマーケットに少しの手数料を払います。
もちろんスーパーマーケットもリンゴ先物取引所に参加料を支払います。
ですので客から見れば安い手数料のスーパーマーケットで取引した方が得ですね。
かつリアルタイムデータも安く手にいれたり、注文を早く通してくれるスーパーマーケットの方が良いですね。
もうお分かりですね。
これを良く聞く日経平均先物マーケットに置き換えてみましょう
リンゴ先物取引所→東京証券取引所、大阪取引所
リンゴ先物→日経平均先物
スーパーマーケット→証券会社
スーパーマーケットでリンゴを買うこと→販売所、OTC取引(日経平均CFD)
ということです。
このようなイメージを持っていただけるとわかりやすいかと思います。
今まで取引所、販売所、証券会社の使い分けがイマイチはっきりわかっていなかった方には、少し理解が進んだのではないでしょうか。
また次回のコラムに続きます。
ご覧いただきありがとうございました。